Jan22,2012

#238 Bagdad

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バーティル / ベルティル・ヴァリーン[Bertil Vallien]デザインのグスタフスベリ[Gustavsberg]製の置物 / Bagdad

 異国情緒溢れる塔のような建物。屋根の上には、なぜか花?しかも、全体は土色なのに、この部分だけが水色の水玉模様。
 この可愛らしくて不思議な置物は、スティグ・リンドベリ[Stig Lindberg]やリサ・ラーソン[Lisa Larson]でお馴染みのスウェーデンの製陶会社グスタフスベリの製品。
 デザインを手掛けたのはバーティル・ヴァリーン。コスタ・ボダ[Kosta Boda]でのガラスデザイナーとして有名な方ですが、陶芸の修学歴やキャリアもあり、ロールストランド[Rorstrand]にもデザインを提供しています。
 こちらはバグダッド[Bagdad]という1965年にデザインされたシリーズの一つ。中東の建造物にインスピレーションを受けた作品といわれています。グスタフスベリらしさの中に、バーティル・ヴァリーンの個性的な世界感が込められた名作。
 このシリーズはどれも好みで、思わず全部を集めたくなってしまうぐらい。ただ、知っているだけでも7種類ほどあるので、さすがに置き場所に困ってしまうか…。

Memo:
 バーティル / ベルティル・ヴァリーン[Bertil Vallien]は1938年出生のスウェーデンのガラスデザイナー、彫刻家。サンドキャストという、砂型を使用した鋳物ガラスの造形作家として世界的に著名です。1961年にスウェーデン国立美術大学を主席で卒業。米国に渡りロサンゼルスでの製陶活動を経て、Afors社に勤務するためにスウェーデンへ帰国。後に合併したコスタ・ボダ[Kosta Boda]社でデザイナーとして活躍。様々な技法を駆使してガラスを操り、独特の世界感を生み出すスウェーデン工芸界の巨匠の一人です。

Link:
 バーティル・ヴァリーンの陶芸作品を簡単にまとめたブログ記事があります。ご興味のある方はこちらをご参照ください。
posted by Mami & Tetsu at 16:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ

Aug06,2011

#230 茂生窯(その2)

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茂生窯の厨子香炉

 御殿(ウドゥン)型の厨子甕(ジーシーガミー)を小型にした香炉。
 厨子甕は、沖縄の納骨器です。(※本来の用途については、歴史的背景や沖縄独特の死生観、信仰、風習などが深く関わっており、誤ったことを書いてもいけませんので、こちらでは割愛させていただきます。)
 古くは石製が多く、18世紀以降は陶製のものが盛んに作られました。壷型もありますが、特徴的なのは琉球王族の邸宅である御殿建築を模したもの。荒焼(アラヤチ:焼き締めのこと)で簡素に作ることもあれば、施釉した豪華で巨大なものもあります。
 御殿型の厨子甕に造形的な美しさを見いだし、本土に多く持ち帰ったのは、民藝運動の中心人物であり、現代陶芸の第一人者でもある濱田庄司。益子参考館で、建物の軒先に並べられた厨子甕はとても印象的です。
 沖縄の陶器店や窯元で見るたびに気になってはいたものの、結構な大きさと存在感のため、我が家に置くのは現実的ではないなと考えていました。
 ところが昨年の12月に沖縄を訪れた際に、小さな御殿型のやちむんと出会いました。どうやら厨子甕を香炉サイズにしたもののようです。色やカタチも気に入り、これなら我が家に飾れると思い、購入しました。
 現在では厨子甕の作り手は限られますが、その中でも評価の高い茂生窯の上江洲茂生さんの手によるもの。
 登り窯による変化に富んだ青緑の釉薬。控えめ装飾ながら厨子甕らしい風格があります。
 ディスカバー・ジャパン[Discover Japan] vol.2に、上江洲さんは「壺屋焼の伝統的技法を継承しながら、華美すぎず、シンプルで格調高い厨子甕をつくる」との説明があり、なるほどと納得。
 小さなサイズの中に名陶工の技が凝縮された、素晴らしい焼き物です。

■関連記事
#213 茂生窯(その1) 茂生窯の片口椀
posted by Mami & Tetsu at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ

Jan05,2011

#219 横田屋窯(その2)

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横田屋窯の香合

 少し前にも紹介をした横田屋窯の香合。その時に「次回訪れた際には、つい買い足してしまいそうな予感…。」と書きましたが、予想通りの展開に。
 読谷山焼陶器市を訪れた際に寄ると、工房の前には板の上に並べられたやちむん達が。奥さんは「業者さんが多く買っていくので、今はもうこれぐらいしかないけど…」と言われていましたが、それでも連なって並べられた香合は魅力的で目を奪われました。きっと窯出しの時は圧巻の光景が広がっているのでしょうね。
 前に買った香合は、飾っているだけで何かに使っている訳ではないのですが、なんとも良い雰囲気でお気に入り。ですので、並んでいるのを見た瞬間に、やっぱり買い足しておこうとなりました。
 てっぺんが面になっていて平らなものと、角になっていて尖ったものと2つのカタチがあり、それぞれ何種類かの柄があります。
 同じカタチや柄でも個体差があるので、あれこれと並べ直しては比べてを繰り返し、尖ったカタチの柄違い2個に決めました。
 ちなみに今回の画像は横田屋窯で撮影したもの。工房の前にテーブルとベンチがあって憩いの場のようになっており、そこに置いています。
 我が家が陶器などを選ぶ時に、店内の照明だけでなく日光があたる場所へ移動して色合いを確認したりすることがあると書いたことがありますが、もう一つ別の習性が。
 選んだものが本当に良いのか、少し別の場所へ移してみます。
 窯元や陶器市のように似たものが多くある場所だと、たくさんの中では一番に見えても、それだけを取り出してみると別の方が好みだったなんてことがあります。比較することにばかりに意識がいって、少し感覚がくるってしまうのかもしれませんね。そこで、選んだものを別の場所に置いて、まずは気持ちをリセット。角度や光の当たり方も変わり、あらためて、それ自体をちゃんと見ることができる気がします。
 横田屋窯では、ちょうど良いところにテーブルがあったので移してみました。すると森を背景にした感じが清清しくて、思わずブログ用に一枚撮影。自分が買ったものを窯元で撮るなんて、これまでにしたことがなかったのですが、やってみるといいものですね。また機会があれば撮ってみたいと思います。
posted by Mami & Tetsu at 20:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ

Oct14,2010

#215 横田屋窯(その1)

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横田屋窯の香合

 沖縄の読谷にある窯元の1つ、横田屋窯。今回がはじめての登場となるので、軽く紹介を。
 場所はやちむんの里に隣接しています。里内の道路付近にある看板を目印に、山林の中へと続いている道を奥へ進むと、工房と登り窯が現れます。気軽に行ける距離ですが、意外に知らない方のいるようなので、やちむんの里を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。
 知花さんご夫婦が、土作りから焼成まで、全工程を自分の手でされています。たくさんの職人や弟子を抱えている親方とは違い、様々なことを自らこなさないといけないので、いわゆる作陶作業にたずさわる時間は減ってしまいますが、昔ながらの製法にこだわっているがゆえのスタイル。
 基本的には沖縄らしいつくりながら、他の窯と違う個性があります。優しく落ち着いた色合いの釉薬が印象的。絵付けやカタチはのびやかで心地よさがあります。伝統的な製法による焼きむらや伸縮など、仕上がりの不均等は避けられないものの、そういう類とは違う出来の良さが全体的にあって、並べられた器を一見しただけで、腕の良さを感じさせられます。
 さて、本題に戻りまして、こちらは小さな蓋もの。お茶の席で使う香合です。
 残念ながら、お茶は嗜みませんので(やってみたいという思いはありますが…)、香合として使うことはないのですが、小物入れになりますし、ただ飾るだけでもいいですね。
 三色の縞模様で面を彩った多面体。ピシッとつくられると、かなりモダンな仕上がりになりそうですが、丸みのある面取りには微妙な揺らぎがあり、手書きの筆づかいと横田屋窯の釉の色目が相まって、なんとも愛嬌と味わいがあります。
 いくつか色違いやカタチ違いがあり、どれも魅力的。そんなに何個も小物入れはいらないだろうと、一番のお気に入りを1つだけ購入したのですが、次回訪れた際には、つい買い足してしまいそうな予感もしてます…。
posted by Mami & Tetsu at 19:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ

Jan25,2010

#202 Bull

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ケン・エドワーズ[Ken Edwards]デザインの雄牛

 なるべくなら動物モノには手を出さないようにと思いつつも、久しぶりにやってしまいました。全長35cmもある陶器製の雄牛です。
 メキシコにトナラ[Tonala]という陶芸が盛んな地方があり、日本ではトナラ焼きと呼ばれています。大量生産のお土産品からミュージアムクラスまで、様々な陶芸品が作られています。
 こちらは、1960年代にトナラに移り住み、同地の陶芸に大きな影響を与えた米国人陶芸家ケン・エドワーズ[Ken Edwards]が手掛けたモノ。お腹のあたりにケン・エドワーズを示す「KE」のサインと、これを作成した工房アーティストの蝶のマークが書かれています。
 今でも、色柄違いの同型の雄牛が、トラケパケ[Tlaquepaque]にあるエル・パロマール[El Palomar]という工房で作られています。ケン・エドワーズが技術指導をした工房で、トナラのケン・エドワーズ工房とは、製造型のやりとりもあったとか。これもエル・パロマール製かなと思いますが、工房名が書かれていないため詳細が分かりません。
 食器や花瓶と同じように、動物の置物にも柄を入れるのがトナラ流なのか、草木や鳥の絵付けを施されたフクロウやネコなどを多く見かけます。
 この雄牛も、背中は幾何学的ですが、体の側面には草花と蝶が描かれ、額にも花が。独特の目つきと相まって醸し出される民族的な雰囲気がとても魅力的。
 アレキサンダー・ジラルド[Alexander Girard]がメキシコのフォークアートに魅せられて、自身のデザインにも強い影響を受けたことは有名ですね。ジラルドに限らず、モダンインテリアに各地のフォークアートを取り入れるケースは珍しくありません。
 こちらもeBayでミッドセンチュリーモダンを中心に取り扱っている方から購入しました。メキシコの陶器ながら、モダンインテリアに似合うだろうというセレクト。趣味の良い、お気に入りのセラーさんです。
 ケン・エドワーズ作品はコレクターからの評価が高まっていますが、いまだメキシコ価格でお手頃なのも嬉しいところ。
 ただし、近年は釉薬類の品質が向上したのか、発色の良いツルツル・ピカピカのモノが多いようです。オークションなどで流通している古めの製品の方が、色味が落ち着いていて好みです。
 そんなことを考えながら色々と見ていると、気になるフクロウなどを発見してしまったりして…、危険です。
posted by Mami & Tetsu at 18:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ
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