May08,2007

#147 Slip Ware Plate

slipware_plate.jpeg

スリップウェアの陶板

 民藝活動や柳宗悦の蒐集の話には、必ず登場する英国の古陶スリップウェア。
 日本でスリップウェアを作製している作家さんがいることは聞いたことはありましたが、2003年からの巡回展「英国の古陶・スリップウェアの美」をきっかけに、その機運が高まっているようで、益子に訪れた際にもスリップウェアの類のモノをチラホラと見かけました。
 こちらは陶庫さんで購入したモノ。スリップウェアらしい発色の陶板。
 化粧土で描かれた、中央の柔らかい紋様。両端の縞は、クシで土を引っぱっています。どちらもスリップウェアの特徴的な装飾ですね。
 英国の古いスリップウェアは、分厚くて、紋様や風合いは大胆なのに、柔らかいイメージがあります。それに比べると、この陶板はシャープな印象を受けますね。英国の使い込まれたパイ皿が纏う独特のオーラには魅力がありますが、個人的にはこういうスッキリした感じも好きです。インテリア的にモダンデザインとの相性も良いですしね。
 スリップウェアは、兵庫県内にも著名な作り手がおり、我が家が好きな食器類にも良いモノがありそうです。どこの国のモノという観点でなく、単純に好みに合う、個人的に注目のアイテムです。

Memo:
 スリップウェアはクリーム状の化粧土で装飾を描いた陶器の総称。同様の手法は世界各国にみられ、丹波の筒書き等も広義のスリップウェアと解釈することもできます。狭義には、民藝運動でとりあげられた、英国スリップウェアを指します。17世紀に登場したスリップによる装飾に、鉛の硫化物を含むガレナ釉を掛け、1000度程度の低火度で焼成した陶器。当初に作られたのは観賞用の飾り皿などで、有名陶工一族の名を冠し、トフトウェアと呼ばれ、英国での評価が高いです。18世紀中頃になると台所や食卓で使う実用的な器が英国の各地に広く普及します。しかし産業革命の波の中で、19世紀後半にはその姿を消します。その美しさを評価したのは、柳宗悦、濱田庄司、バーナード・リーチといった、民藝運動の先駆者達。トフトウェアとは違い、英国内で評価が全くされていなかった日用雑器としてのスリップウェアに、用の美を見い出しました。


posted by Mami & Tetsu at 20:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | テーブルウェア>陶磁器
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