琉球ガラスのボール
琉球ガラスを紹介するのは今回で4回目ですが、やっと色付きのモノを紹介することができました。
琉球ガラスの魅力の一つはやはりガラスの染色です。染色にはリサイクルした色ガラスによる染色と薬品による染色があるようです。薬品を使った方が思い通りの色が出て、発色も良いらしいのですが、リサイクルされる前は何のビンだったのか想像したりするのも楽しいですよね。茶色だったらビール瓶でしょうか…、それともリポビタンDかな?なんて感じに。
今回紹介するボールは染色もきれいですが、目を惹くのはガラスに含まれた大量の気泡。#23の一輪挿しに比べて気泡の粒が大きく、気泡の隙間を光が透過し反射して輝きます。こういった気泡を大量に含むガラスは前回紹介したスウェーデンのガラス作家エリック・ホグランが多用した技法でもあります。ガラスに独特の質感を与えると共に、ガラスが作られる過程では液体であった事実を色濃く残しています。
気泡を含まない縁取りのガラスはシックな色目のブラウンで着色されています。そして、このブラウンが縁から気泡の隙間に染み出しているかのようなグラデーションを作り出しています。大量の気泡を含む独特のガラスの質感とブラウンのグラデーションの組み合わせは秀逸で、潔いシンプルなデザインのボールに、これ以上ない個性を与えます。
典型的な琉球ガラスとは趣が異なるとは思いますが、作り手の技量や感性で変化するのがハンドクラフトの特権です。今後の更なる変化に期待が高まります。
モダンデザインという分野では、一部の昭和期の工業製品で再評価されているモノを除き、日本のガラス製品が出てくることはまれだと思います。でも琉球ガラスには本当にいいモノがあります。優しさと暖かみがある独特の質感のガラスはスローライフが提唱される昨今にピッタリだと思いませんか。若い作家が作りだす新たなデザインもなかなかですよ。日本の一番暑い島が生み出す、懐かしくて新しいガラス器を我が家は今後も注目していきます。
購入したのは恩納村にあるグラチッタ[glacitta']さんです。万座毛近くの58号線沿いの海側、少々しなびた感じのする中に突如現れるモダンなお店です。
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