Sep13,2006

#125 Vintage Bowl

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ゲルト・ベゲルント[Gerd Bogelund]デザインのロイヤル・コペンハーゲン[Royal Copenhagen]製の大鉢

 格子状の溝と釉薬の発色が特徴的な大鉢。日本の作家モノの陶器にも見えますが、実はロイヤル・コペンハーゲンのヴィンテージ。
 裏返してを見ると、土っぽい雰囲気の表層とはうって変わり、透明感のある白地に、青で描かれたお馴染みの3本波線と、作者のイニシャルのgとb組み合わせたサインが書かれています。てっきり陶器だと思っていましたが、これは違いますね。叩くと硬質感のある音色が響きます。ストーンウェアか磁器に釉薬を重ねて、まったく別物の表層を作り上げているようです。これには驚きました。
 複雑に重なり、変化した釉薬の発色が本当に美しいです。北欧のアートピースには和モノに通じる風合いのモノを良く見かけますね。単純にモノや技術の交流があっただけでなく、工芸・生活・自然などに対する概念や価値観に共通するところがあったのかなと感じます。抵抗なく受入れることができ、居心地の良さを感じられる、色や質感の奥深さ。
 その一方で北欧製品には端正で清楚な雰囲気があって、日本的なワビ・サビ文化とは異なるスマートさがありますね。フォルムデザインに顕著に現れていると思います。
 日本的な発想だと、これだけ凝った釉薬使いをするのなら、揺らぎや歪を含ませたり、ポッテリとした丸みにしたりと、カタチ自体に味を持たせたくなりますよね。でも、この鉢はなんとも優雅な立ち上がりのライン。曲線の中にシャープさがあり、いかにも北欧的なデザイン。
 欧米では鉢や皿でも観賞用のモノも多く、この鉢も飾って楽しむインテリア用クラフトなのかと思います。でも我が家では食器として活躍させています。大鉢料理をドカッと盛るのもいいですし、夏場は冷やしうどんを入れたりもしました。デンマークから日本までやって来て、うどんを盛られるとは思いもしなかったでしょうが、色のコントラストも良く、なかなかオツなものですよ(笑)
 こちらは京都大骨董祭で輿石さんから買ったモノ。カイ・ボイスンのカバの記事のときに併せて買ったと書いたモノがこれです。輿石さんは北欧系のモノでも、アートピースっぽいモノを多く扱われています。京都大骨董祭で異彩を放っていますが、実は以前は民藝系のモノを扱っていたとのこと。知識だけでなく、良いモノを見る目がある人なのだろうなと、勝手に想像しています。

Memo:
 ゲルト・ベゲルントは1923年出生のデンマークの陶芸家。コペンハーゲンのクラフツマン・スクール在学中からロイヤル・コペンハーゲンで活動し、同社での仕事は1942年まで続きました。1943年からの2年間はサクスボー[Saxbo]に在籍し、ナタリー・クレプス[Nathalie Krebs]と共に働き、その後、1946年からはアーティスト・イン・レジデンスとしてロイヤル・コペンハーゲンで再び活動することになりました。彼女の作品はストーンウェアが中心ですが、磁器作品も手掛けています。


posted by Mami & Tetsu at 20:12 | Comment(5) | TrackBack(0) | テーブルウェア>陶磁器
この記事へのコメント
非常に勉強になりました。ロイヤルコペンハーゲンでも、この方面は盲点でした。いいですね、すごく。うどんを盛られた勇姿もさぞ素敵なんだろうと思います。見たかった(笑しばし時間を忘れてネットでGerd Bogelundの作品を探しまくってしまいました。(dkのサイトだと、英語のOに斜め棒の入った字が苗字のBのあとに続くようです。もちろん、ご存知だと思います!デン語は激しく文字化けしますからね)

ブログにこんなにコメントしていいものかどうか(笑 これからもいろいろ勉強させて下さいね。
ますますのご発展を!
Posted by 耳子 at 2007年02月12日 15:22
ロイヤルコペンというと、どうしても青い絵付けの磁器の印象が強いですよね〜。
この辺のアーティスト系スタジオ作品はグッとくるモノがありますよ。少しお値段がしますが…。
また、うどんを食べることがあれば、写真を撮って記事にしますね(笑)
冷やしうどんの方が映えるけど、冬なので釜揚げうどんにしようかなぁ。

そうそう、あの「Oに斜め棒」の文字が化けることがよくあるんですよ!
ヨーロッパの言葉は、どうしようって思うアルファベットがいっぱいあるのですよね。
悩んだ時もあったのですが、英語圏の人は割り切って、そのまま「O」を使っているサイトも多いので、まあ「O」でいいかなって(笑)
いろいろ探されているので、すでにご存知かもしれませんが、デンマークやスウェーデンあたりの陶磁器やガラスが詳しいサイトを1つ紹介しますね。
大げさなモノが多いですが、メーカーやアーティストを知るには便利ですよ。
http://www.freeformsusa.com/index.htm

コメント歓迎ですよ!
感想、質問、ぼやきに近況報告まで、何でも気軽にどうぞ。
また、お待ちしていまーす。
Posted by Mami & Tetsu at 2007年02月13日 12:19
素晴らしいサイトをありがとうございました!
しかし、Mami & Tetsu さんはタダモノのではありませんね。。すごいです。目の付け所とセンスの良さには脱帽です。このサイトを見たら、私の目から鱗が100枚くらい落ちました(笑
アーティスト系スタジオ作品に向かって顔を洗って出直してきます。もうすぐ日本に帰国する予定だったのに、もう帰りたくなくなりました(笑

私のマイブームの釜元はKnabstrup Lervarefabrik
です。eBAYを見てみたら、結構出ていました。
レトロな調味料入れがよく出回っているようですが、アラビアのルスカを軽くして、灰緑色の複雑なの釉薬をかけたようなシリーズが個人的にはツボです。日本にも同じような物がありそうですが。

そろそろ家具の方面に全力投球する予定だったのに、これで陶磁器の世界に逆戻りしました(笑 ので、これからもご指南?よろしくお願いします。ブログの更新を楽しみにしています。



Posted by 耳子 at 2007年02月14日 12:13
すみません、書き忘れました。
以下のサイトで、Gerd Bogelundのちょっとだけ雰囲気の似た作品をみつけました。いいですね〜。
でも、私には手が出ないです(泣
その他のアーティストのものも、画像が大きくて見やすいので、もしお暇があったら、覗いてみてください。
デンマークのアンティークショップのサイトなので、もし表示できなかったら申し訳ありません。
http://www.postludiet.dk/keramik%20rc&bg.html
Posted by 耳子 at 2007年02月14日 13:42
喜んでいただけて、良かったです。
探し物をするときに、よく検索にひっかかるサイトなんですよ。

Knabstrup Lervarefabrikのことは、初めて知りました。
テーブルウェアが得意な窯元なのかな。
気になるので、また調べてみます。

いいサイトですね〜。
ちょっとだけ文字化けしちゃってますが、問題なく見れますよ。
Jorgen Mogensen好きなんですよ。
でも、いいなって思うモノは結構な値段がするので、持ってはないのですけどね。

こちらこそ、また色々と教えてくださいね。
Posted by Mami & Tetsu at 2007年02月14日 20:04
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