Aug06,2011

#230 茂生窯(その2)

zushi_koro.JPG


茂生窯の厨子香炉

 御殿(ウドゥン)型の厨子甕(ジーシーガミー)を小型にした香炉。
 厨子甕は、沖縄の納骨器です。(※本来の用途については、歴史的背景や沖縄独特の死生観、信仰、風習などが深く関わっており、誤ったことを書いてもいけませんので、こちらでは割愛させていただきます。)
 古くは石製が多く、18世紀以降は陶製のものが盛んに作られました。壷型もありますが、特徴的なのは琉球王族の邸宅である御殿建築を模したもの。荒焼(アラヤチ:焼き締めのこと)で簡素に作ることもあれば、施釉した豪華で巨大なものもあります。
 御殿型の厨子甕に造形的な美しさを見いだし、本土に多く持ち帰ったのは、民藝運動の中心人物であり、現代陶芸の第一人者でもある濱田庄司。益子参考館で、建物の軒先に並べられた厨子甕はとても印象的です。
 沖縄の陶器店や窯元で見るたびに気になってはいたものの、結構な大きさと存在感のため、我が家に置くのは現実的ではないなと考えていました。
 ところが昨年の12月に沖縄を訪れた際に、小さな御殿型のやちむんと出会いました。どうやら厨子甕を香炉サイズにしたもののようです。色やカタチも気に入り、これなら我が家に飾れると思い、購入しました。
 現在では厨子甕の作り手は限られますが、その中でも評価の高い茂生窯の上江洲茂生さんの手によるもの。
 登り窯による変化に富んだ青緑の釉薬。控えめ装飾ながら厨子甕らしい風格があります。
 ディスカバー・ジャパン[Discover Japan] vol.2に、上江洲さんは「壺屋焼の伝統的技法を継承しながら、華美すぎず、シンプルで格調高い厨子甕をつくる」との説明があり、なるほどと納得。
 小さなサイズの中に名陶工の技が凝縮された、素晴らしい焼き物です。

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#213 茂生窯(その1) 茂生窯の片口椀


posted by Mami & Tetsu at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ
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