Jun26,2006

~7 CERAMIC STANDARD

ceramic standard
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CERAMIC STANDARD セラミック スタンダード 森 正洋 作品集

 森 正洋は戦後日本の陶磁器デザインに最も影響を与えた人物の一人です。
 日本にはもともと陶磁器の文化が浸透していて、民藝運動が用の美を求めて、民衆の日常生活の為に作った実用品的な工芸品を集めたように、陶磁器は日用品の一つでした。しかし戦後の急速な経済成長、産業の機械化、生活スタイルの欧米化、海外の情報や製品輸入の増加と多様化等により、食卓に並ぶ器に対する価値観は大きく変化しました。そんな変動の時代の中で、日本の陶磁器デザインを牽引し、食卓に良質な器を提供しつづけたのが森 正洋です。
 工芸文化の世界では、機械生産ではなく手工芸品の方が好まれる傾向があります。熟練した職人の手により作られたモノを評価し、正当な対価を支払う文化は残るべきだと思います。しかし一方で、一般家庭の日常の食卓に上る器の多くが安価な大量生産の工業製品に変わってきているのも事実でした。森 正洋は、プロダクトデザイナーという職がまだ認知されていなく、陶工は窯を持ち、自らの作品を作るべきだという時代の中で、あえて大衆のための器を作る道に進みました。工場生産に適し、実用的で、一般家庭に受入れられ、そして何よりも優れたデザインの器を作ることをポリシーとしました。彼自身も親交があったカイ・フランクと比較されることがよくありますが、カイ・フランクが「フィンランドデザインの良心」と呼ばれたように、森 正洋は日本の陶磁デザインの良心であったと私は思います。
 この本は森 正洋の初作品集。白山陶器で残した名作の数々から無印良品の和の器シリーズまで、とても見やすく、きれいな写真と共に紹介されています。当然、膨大なデザイン活動の全てを網羅することは不可能ですが、彼が生み出してきた器のエッセンスが詰め込められた良書です。
 この本を買ったのは昨年(2005年)の12月のこと。少し前から欲しくて、vivo,vabookstoreさんに置いていたはずと思って買いに行ったところ、そこで11月に森 正洋が亡くなっていたことを知りました。まだまだバリバリと現役で活躍して名作を生み出していくのではと思っていたので驚きました。とても残念なことです。ご冥福をお祈りすると共に、残された数々の名作が日本の器のスタンダードとして生き続けていくことを信じています。


posted by Mami & Tetsu at 12:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑貨類>本
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