読谷山焼の鉢
読谷山焼らしい、おおらかで大胆な柄の鉢。柔らかい雰囲気の絵付けの色に温かみがあります。
茶が透けた黒で色付けされた高台部分が、全体の印象を引き締め、ドッシリとした安定感を与えているように感じますね。
直線的に立ち上がるシャープなラインに残された手作りの揺らぎ。定番のカタチではないようですが、読谷山焼の雰囲気に良く合っていると思います。
画像をクリックして大きくしていただくと、表面の釉薬に貫入(かんにゅう)と呼ばれる、細かいヒビが入っているのが分かると思います。読谷山焼に貫入があるイメージはないのですが、自分が持っている他のモノと比べると、釉に厚みがあるように感じますし、作家さんが意図したことかもしれませんね。
貫入は、陶土と釉薬の焼成時の膨張差と冷却時の収縮差によって生じる現象。比較的古い製法で作られたモノに頻繁に現れ、欧米やアジアの陶器にも見られます。ヒビに茶渋などが着色したり、水分が浸透して染みになったりすることがあるので、欠点として嫌われることも多く、古くから貫入防止の技術も研究されています。
でも、日本はこれを味や風合いとして好み、わざわざ貫入を発生させるための製法がある国のひとつ。「萩の七化け」といって、吸水性の高い萩の陶土に、貫入を通して茶渋が着色し、器の風合いが変化していく様を、茶道の世界などでは珍重するぐらいですからね。我が家的には、そこまで高尚な使い方はしませんが、「器を育てる」という考え方は素敵ですね。
貫入があると、陶器の質感に雰囲気がでます。表面の光沢感が落ち着き、素材感が良く感じますね。この鉢を見ていると、読谷山焼とも相性がいいように思いますが、あまり作られてはいないのかな…。今度、沖縄へ行った時には、ぜひ探して見たいと思います。
Memo:
読谷山焼については#39 読谷山焼(その1)で詳しく書いていますのでそちらを参照して下さい。
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#39 読谷山焼(その1) 読谷山焼の中皿
#51 読谷山焼(その2) 読谷山焼のお椀(中・大)
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