Feb20,2006

#95 Green Birds

svenskt_tenn.jpg

ヨーゼフ・フランク[Josef Frank]デザインのスヴェンスク・テン[Svenskt Tenn]製ファブリックのコースター / Green Birds

 スウェーデンのテキスタイルといえばスヴェンスク・テン。BEAMS MODERN LIVINGが強力にプッシュしていますので、北欧好きな人以外でもご存知の方は多いのではないでしょうか。日本ではBEAMSが独占販売しており、それ以外では北欧系の雑貨屋さんが少しだけ小物類を並行輸入しているのを見かけるぐらいですが、人気のあるメーカーです。
 しかしBEAMSは力がありますね…、たしかSpisa Ribbの復刻版も専売していましたよね。一部のインテリア好きだけでなく、幅広い層に影響力がある巨大ショップです。
 このコースターは既製品で販売しているモノではなく、友達がカーテンの余り布で作ってプレゼントしてくれたモノ。まあ、そんなカッコいいカーテンを作る友達はムッチャン以外にはいないわけですが…。スヴェンスク・テンの生地でカーテンなんて、思い付いてもなかなか実行に移せませんよね。腰窓でサイズはあまり大きくないらしいのですが、通常のカーテンではありえない値段になるはずですし、インテリア的にも相当パンチ力あるアイテムなので、普通の人だと尻込みしちゃいますよね。さすがムッチャンです。ちなみに出来上がったカーテンは写真でしか見たことがないのですが、かなり良さそうです。
 グリーン・バーズ[Green Birds]という1943年に発表されたパターン。この写真では全体像が分かりませんが、ヨーゼフ・フランクらしい動植物をモチーフにした図柄です。スヴェンスク・テンのサイトにサンプル画像がありますので、ご参照ください。その名のとおり緑色の鳥が幾種も描かれています。色も柄も詰め込まれており、色彩も鮮やかですが不思議と静かな印象。
 モダンデザインの分野でテキスタイル・デザインというと、幾何学な紋様とか、動植物でもデフォルメしたアイコンをシンメトリーに配するようなパターンを想像しますよね。でもヨーゼフ・フランクのデザインは他とは一線を画します。もちろん生地にしたときには一定の間隔で同じパターンが連続するのですが、ワンカットを捕らえれば、まるで一枚の絵のようです。鳥や木々といったモチーフをデフォルメしてはいますが、表現はどちらかというと具象的。これだけの個性的な色柄を詰め込めば、ゴチャゴチャとしたうるさいパターンになりそうなのに、独自の世界観に収束し、端正でヴィヴィッドなデザイン。
 こういう柄モノが得意なのは直感派のMamiの方。BEAMSの神戸店で初めてスヴェンスク・テンの製品を見た時に、一発でその良さを見抜いていました。Tetsuは調べもの好きですが、固定観念のようなものが感覚的にあり、自分の知識や価値観からかけ離れたモノを見るとカルチャー・ショックで、パッと受入れ難く感じてしまうのですよね。同じような感覚の方はいませんでしょうか?でも、何度も目に触れていると、その良さが分かってきます。そしてさらに深みにハマリそうな気が…。
 #63で「最近Mamiが寝室のカーテンを超インパクトのある柄に替えることを検討中…。」と書きましたが、実はスヴェンスク・テンのこと。ムッチャンの影響で、我が家の寝室も同じようにしたいというMamiの要望でしたが、ムッチャンの家よりも窓が大きく、尋常でない値段になりそうだったので止めておきました。でも最近Tetsuはファブリックパネルならばスヴェンスク・テンの生地に張り替えてもいいかなーなんて、ひそかに思っています。

Memo:
 スヴェンスク・テンはストックホルムで1924年に創業した老舗インテリアショップ。創業者は美術教師のエストリッド・エリクソン[Estrid Ericson]とピューター(すず、鉛、銅などの合金)作家のニルス・フォウグステッド[Nils Fougstedt]、創業当初は小さな店でピューター製品のみを取り扱っていました。ヨーロッパやアメリカの展覧会で高い評価をされ、創業から1年後の1925年にパリのワールド・エキシビションで金賞を受賞します。経営を行っていたエストリッド・エリクソンは、アーティストとしての才能のみならず、ビジネス・ウーマンしての名声も得ました。新古典主義の流れから脱し、機能主義が台頭してきた1930年前後、同社も転換期を迎えます。家具やじゅうたん等のインテリア製品の販売を始め、ピューター製品のみではない、インテリア全般のデザインストアとなります。そして1933年、エストリッド・エリクソンと並び同社に最も影響を与えた人物ヨーゼフ・フランクとの共同製作を開始し、1935年にはチーフデザイナーとして迎えます。機能主義の流れの中で、ヨーゼフ・フランクのデザインは世界的に高く評価され、デザイン界に大きな影響を与えると共に、スヴェンスク・テンのデザインストアとしての存在を確固たるものとしました。1975年シェル&メッタ・ベイエル基金[The Kjell and Märta Beijer Foundation]に経営権を譲渡し、設立から経営を行ってきたエストリッド・エリクソンは1979年に引退します。しかし、現在でも同社は「エリクソンとフランクの精神を現代に引き継ぐ」をビジネスポリシーとし、多くのヨーゼフ・フランクがデザインした製品を製造・販売し続けています。

 ヨーゼフ・フランクは1885年オーストリア出生のデザイナー、建築家。反ユダヤ法により国を追われ、1935年妻の出身地スウェーデンに移住(1938年に帰化)、1933年からデザインを提供していたスヴェンスク・テンのチーフデザイナーに就任。家具、照明器具などのデザインを手掛けますが、もっとも印象的なのがテキスタイル・デザイン。自然をモチーフに多用し、表現は具象的ですが、実在しない動植物などを描いた独特のシュールな世界感。コンストラストのハッキリした色使いが目を引きますが、パターン全体の印象は上質で、不思議と静寂感が漂います。

Tips:
 biotopeさんのサイトによると、ヨーゼフ・フランクの作品集「Textile Design」が部数限定で復刊したとのこと。今まではデッドストックを探すのみで、特に英語版は高嶺の花というイメージでしたので、これは嬉しい知らせです。決して手頃な値段とは言い難いですが、この値段で買えるのは今だけかもしれませんね。気になる方はお早めに。ちなみに神戸でしたらvivo,vabookstoreさんに取扱いがあるようです。(もう在庫がなかったらゴメンナサイ)


posted by Mami & Tetsu at 17:45 | Comment(5) | TrackBack(0) | テーブルウェア>その他
この記事へのコメント
Mami&Tetsuさん こんにちは。

スヴェンスク・テンは知ってましたが、ヨーゼフ・フランクというデザイナーのことまでは知りませんでした。
やぁ〜今回も内容いっぱいで、とっても勉強になりました。

このコースターの布、すごく好きなテキスタイルです。
私は鳥のモチーフに弱いのでこの柄はかなりツボにはまりました。(おまけにミドリ好き。)
お友達のムッチャンはかなりセンス溢れる方なんでしょうね。
カーテン見学に行きたくなります笑。

スヴェンスク・テンの生地の値段をよく知らないのですが、マリメッコくらいのお値段でしょうか?
そうだとしたらカーテンは本当に高価なものになりそうですね。でも素敵そう・・・
堀井和子さんみたいにテーブルクロスとかにもしてみたいけど、それもまた高そうだし。
よいものは高いのですねぇ。

>自分の知識や価値観からかけ離れたモノを見るとカルチャー・ショックで、パッと受入れ難く感じてしまうのですよね。同じような感覚の方はいませんでしょうか?

はい、はい!私です。
けど良さを教えてもらうと、少しづつ受け入れ、最後にはお気に入りになっているパターンが多いです。

ヨーゼフ・フランクの作品集「Textile Design」、vivo.vabookstoreを見てみたらsoldにはなってませんでした。
すごい見たいです。でも高い。どうしよう・・・
Mami&Tetsuさんはこの本持ってますか?持っていらしたら感想など聞きたいのですが。

余談なんですが、トラックバックを何度か試みたのですが反映されていないようです。なぜかなぁ。





Posted by TOMJERY at 2006年02月22日 02:23
こんにちは!
グリーン・バーズいいですよね。
我が家も写真でしか見ていないので、カーテン見学に行きたいです(笑)

ちなみに、お値段は結構します。
マリメッコと比べても大分いい値段ですよ。
でも実物は本当にカッコいいんだろうなと思います。

「Textile Design」は持っていないのですが、以前にスウェーデン語版を立ち読みしたことはありますよ。
パラパラと見ただけですが、ヨーゼフ・フランクのテキスタイルに特化した本なので、ちょっと濃い内容だなーと思った記憶があります。
なかなかの値段なので、買うまでもないかなと、その時は思ってたんですが…。
でも、いざ英語版が復刊して、しかも数量が「限定」となると気になってしまいます(笑)
今度vivo,vabookstoreさんへ行くことがあれば、チェックしようと思ってます。

トラックバックは、こちらに届いた形跡がありませんね。
うまいこと送れていないのかなぁ…。
ちゃんと送れているかどうか自分でも分からないから困りますよね。
もし重複しちゃったら削りますので、また試して見てください。
Posted by Mami & Tetsu at 2006年02月23日 20:28
こんにちは!!

先日、初めてコメントを書きましたところ、
コメント歓迎とのお優しいお言葉を頂きましたので、お言葉に甘えさしていただいて、今日も。。 
Posted by Jill&Luca at 2007年08月27日 11:15
すみません。。
文頭を先に送ってしまいました。

StockholmのSvenskt Tennnにも行きました。
お店はShow Windowも温かみのあるセンスのよい
飾り方で、思わず中に入りたくなるような感じで
Fabricの値段さえ見なければ、とてもFamiliar
にみえました。
布地はとても分厚く、品質も良いですし、色や
デザインも素敵でした。

Testu&Mamiさんのお持ちコースター、同じ柄
の5枚くらいセットなったのも売っていましたよ。結構お値段がしていました。

私には、カーテンよりもお店にあった、布地張り
のソファーやオットマン、ベッドの方が新鮮に見え、日本の住宅事情にはフィットするのではと
思いました。
と言うのも、ご存知の様に、とても柄が大きく
インパクトがありすぎて、手持ちの家具や調度品
とカーテンをあわせるのがむずかしそうでは?
言う気がしたのです。。
以前、我が家ではオランダ製の大きな
柄のカーテンを使用していたのですが、夜になってカーテンを閉めるとカーテンが目立ちすぎ浮いた感じがしました。

それとGustavsbergのMuseumnにもSvenskt Tenn
のいろいろな年代のFabricが展示されていました。昔の柄行の方が小さく、色のコントラスト
も新しいものほど強く無い様でしたね。

また長くなりましたね。
では。。。。。

                Jill&Luca









Posted by Jill&Luca at 2007年08月27日 12:44
Jill & Lucaさん、こんにちは!
お返事おそくなってすいません。

スヴェンスク・テンは現地でもいい値段がしますよね。
モノが良いのは分かりますが、もう少し安かったらなぁって思ってしまいます。

我が家もスヴェンスクの家具好きですよ♪
確かに大判のカーテンより日本家屋には合うかも。
オットマンとか可愛いですよね。

照明も結構好きですよ。
ビンテージのモノとか、かなりカッコいいのですが、値段もカッコよくって…。
思い切って買えば納得なんでしょうけどね。

長文コメント歓迎ですよ。
また、ぜひどうぞ!
Posted by Mami & Tetsu at 2007年08月31日 23:03
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