アンティ・ヌルメスニエミ[Antti Nurmesniemi]デザインの3本足スツール / Three Legs
木製の小さなスツール。
日本ではカラフルなコーヒーポットのデザイナーとして有名な、アンティ・ヌルメスニエミがデザインしたモノです。
シンプルで何気ないカタチなのですが、パッと目を惹くのは座面の素材感。薄く重ねた集成材を断面が見える方向に削りだしたミルフィーユ状の部材で、年輪を直線にしたような、美しい紋様が現れています。層の中には、フシのところかと思われる茶色い部分が点在し、まるで天然素材のように感じられます。
アンティのスツールといえば、自らが設計に携わったパレスホテルで、内装デザインの一環としてつくられたサウナスツールが有名ですね。同じく、集成材の削り出しによる美しい紋様が印象的な作品。こちらとは材の合わせや木目の出し方が異なっており、また違った雰囲気です。3本足のスツールについては詳細を知らないのですが、同時期にデザインされたモノだと聞いたことがあります。脚部の作りはよく似ています。
もともとムッチャンの家にあった同じモノを見てから、欲しいなと思いはじめました。
復刻生産品をBEAMSが取り扱っていると聞いて、International Galleryへ。ところが店頭に在庫があったものの、微妙に作りが変わっていました。座部の裏面に板を貼るようになったようです。普通に床に置いている分には、ほぼ見えない作りで、わざわざ持ち上げて逆さまにするか、床に寝転がらないと分からないだろうなという部分です。でも、これが気になってしまいました。
この裏面にはアンティ・ヌルメスニエミの焼印が押してあり、ミルフィーユ状の材に押された焼印の雰囲気がなんとも良かったのです。でも、板が貼られていると、のっぺりした印象に…。わざわざ仕様を変更したのですから、構造上の問題等があったのかもしれませんし、そんな裏面のデザインまで気にしなくても良いのかもしれませんが、どうも気になってしまって。とりあえず買うのは止めました。
他を探してみるものの取扱いっている店は見つけられず、また仕様が戻る可能性もあるかなという程度の期待しかできない状況でしたが、巡り合いがありました。
ハミングジョー[humming joe]さんのブログの写真の片隅に、このスツールらしきモノがありました。ハミングジョーさんならば新品の可能性は低いはずなので、もしかしたらと思ってメールしてみたら、ビンゴでした。復刻版の中古品で、裏に板が貼られていないタイプでした。そんな事情を知らないので、裏に板が貼ってあるかどうかを確かめるメールは、なかなか怪しかったとは思いますが…。
ちょうど神戸アンティークフェアの時期だったので、その時に持って来てくれました。いつもながらのグッドセレクトに感謝です!
Memo:
アンティ・ヌルメスニエミ(1927年出生)はフィンランドのインテリアデザイナー、工業デザイナー、建築家として活躍。ホテルの建築やレストランのインテリアから、家具やキッチンウェアまで、多岐にわたる仕事をしています。ヘルシンキの地下鉄や観光フェリー、発電所の煙突や高圧線鉄塔など、公共的なデザインにも多く携わっています。1964年のミラノ・トリエンナーレでは、妻のヴォッコ[Vuokko Nurmesniemi]とともに手がけたフィンランドブースの内部デザインでグランプリを受賞。1967〜71年にはフィンランドデザイナー協会委員長、1989〜92年には国際インダストリアルデザイン団体協議会[ICSID]の委員長を勤めています。
[参考文献:biotope / TORi Vol.5]
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