Feb11,2009

#187 Iga Earthenware Pot

igadonabe1.jpg igadonabe2.jpg igadonabe3.jpg

長谷園の土鍋

 このブログで土鍋を紹介するのは2回目になります。
 実は前に紹介した土鍋のフタを割ってしまいました…。すべって床に落としてしまい、バラバラに。ワレモノなので、気をつけていても壊してしまうことはありますよね。かれこれ7〜8年は使っていたモノですし、「カタチあるもの全て壊れる」と言いきかせながらも、お気に入りが割れてしまったのは、やはりショックでした。これからが鍋の時期だったので、新たな土鍋で気分を一新することに。
 今回は伊賀焼の土鍋。ヘルシー蒸し鍋やかまどさん等で人気の長谷園の製品です。伊賀市丸柱にある長谷園を直接訪れて購入しました。
 こちらはグラフィックデザイナーの経歴をもつ陶芸家の大道正男さんの土鍋です。ほんのり赤みを帯びた黒釉は、半光沢の落ち着いた質感。分厚く、重量感があります。浅めのカタチと、大ぶりで直線的な把手とのバランスが良く、まれに見るカッコいい土鍋ですね。
 手作りのため、ひとつひとつ色やカタチが微妙に異なります。第1展示室に1点と第3展示室に2点の計3点が店頭にあったので、お店の人にお願いして1箇所に集めて比べさせていただきました。これは赤みがあるなとか、上下で色合いが少し異なるかなとか、こっちは深さがあるな等と言いながら、角度を変えたり、持ち上げたりして見比べます。色や肌合いは太陽光で見るのが一番分かりやすいので、店の外にあるベンチに並べて選んでいたら、通りかかった職人のおっちゃんに「何やってんの?」と聞かれてしまいました。我が家的には毎度のことなのですが、こういうことをする人はあまりいないのかな…。
 粗く、吸湿性が高い陶土は、しっかり乾かさないとカビが生えやすいという難点はあるものの、使い込むほどに鍋が育つという素晴らしい特性があります。ちょうど、雑誌等で見かける長谷圭未さんが店頭にいらっしゃって、10年ほど伊賀の土鍋を使い続けているけど、使うほどに沸くのも煮えるのも早くなっていきますよと教えてくれました。
 たしかに最初は前の土鍋ほど早くに沸かないことに戸惑いました。でも、何回か使っているうちにコツもつかみ、少しだけ沸きやすくなったように思います。火の通り方も大分違いますね。マイルドだけど、しっかり芯まで温まる感じで、鍋の具材からでたスープの味まで美味しくなりました。また、この土鍋は陶板としても使え、ステーキがとても美味しく焼けるらしいです。
 正直に言うと、かなり予算オーバーの買い物でした。しかし、この土鍋の満足感はすばらしいです。まだまだ使い始めたばかりですが、どんどん活躍させて、育てて、もっと良い鍋にしていきたいと思っています。

 以降、伊賀のことなど書き綴ります。興味のある方はどうぞ。
 気に入った土鍋を見つけるのに、かなり苦労した経験があるので、今回はどうやって探すべきか悩みました。
 とりあえずネットで検索するものの、めぼしいモノは少なく、PCの画面上では質感が分かりにくい点がネックとなり、どれも決め手に欠ける状態。
 そこで思い切って伊賀へ行くことにしました。伊賀は、信楽から山を隔てて南に位置し、新名神高速道路の開通により神戸からのアクセスは格段によくなっています。
 個人的には伊賀焼というと茶陶のイメージが強くありました。今でもビードロ釉の焼き締めを中心にされている作家さんもいらっしゃいますが、江戸中期以降は施釉した日用食器が中心となり、現在は製陶工場のようになっている窯元もあるようです。
 耐火度の高い陶土を使った土鍋は、伊賀の特産品のひとつ。輸入したペタライトという鉱石を混入して耐火性を上げた製品や、安価な中国製品におされて、元来の伊賀焼土鍋の生産は先細りでしたが、このところ伊賀の陶土の特性を生かした土鍋が見直されてきています。
 その人気を牽引するのが、天保3年(1832年)創業の長谷園。伊賀の陶土には耐火度が高いだけでなく、炭化した植物を多く含んでいるため、焼成すると多孔性の素地になります。土鍋本体がしっかりと熱を蓄えて食材の芯までじっくりと火を通し旨味を逃さずにおいしい料理に仕上げてくれます。この特性を生かして長谷園が開発した製品は、予約待ちをしないと手に入らないぐらい人気のモノもあります。
 とりあえず伊賀へ行けば長谷園があるし、他の窯元も巡れるだろうと思っていました。
 窯元が集中している丸柱地区は、のどかな田舎町。伊賀焼振興協同組合のHPを事前にチェックし、販売している窯元を回ろうとしたのですが、とても売り場がありそうな雰囲気ではなく、週末は人がいないところも多いようです。ようやく直売所を併設している窯を見つけて、そこのお兄さんに話を伺いました。すると、伊賀焼伝統産業会館の一部が共同販売所になっていて、そこで買い物もできるし、もし気に入った窯があれば紹介してもらえば良いとのこと。ただし土鍋を製造・販売している窯は限られるらしいです。さっそく会館へ行ってみたものの、小規模な売り場で、ちょっと残念でしたね。
 長谷園は、お客さんも多く、活気がありました。古い屋敷を改装した展示室や食事処があり、登り窯の見学や陶芸体験もできます。とりあえず蒸し鍋の実物を確認して、良ければ予約をしようかなぐらいの気持ちで訪れたのですが、思っていた以上に様々なモノが販売されていました。予約待ちが必要なモノでも見本商品は全て展示してあり、鍋以外の食器類も多くありました。また、作家さんのつくった一点モノ等も販売していました。
 現地で購入すると正規品でも割引きをしてもらえます。予約販売の場合は送料も無料という、至れり尽くせりな対応。通常は予約待ちが必要な商品でも、タイミングが良ければ、キャンセルやサイズ変更等の都合で、店舗に在庫が残っていることもあるとのこと。また、屋外にはワゴンセールのようにしてB級品を売っており、お買い得商品が並んでいます。
 敷地内に大正館と呼ばれるレトロな洋風建築の建物があり、こちらには珍しい陶器カップコーヒーの自動販売機があります。その建物の中で飲めて、陶器カップはお土産に持ち帰るようになっています。おもしろそうなので試しに飲んでみたのですが、意外にゆっくりできて、土鍋選びの疲れも癒されました(笑)
 思い描いていたような窯元巡りはできませんでしたが、伊賀まで行って納得のいく買い物ができました。もし同じ土鍋をネットで見つけていたとしても、買えなかったと思います。やはり実物を見て、触って、確認することは、とても大切なことだなと感じています。まぁ、それなりの値段がする分、割引の金額も大きくなり、直接行ったメリットが増えたこともあるのですけどね…。
 日帰りで行ける距離の方でしたら、小旅行がてらに現地に訪れるのをおすすめします。信楽もすぐ近くですよ。ただし、丸柱には食事処がほとんどないので、ご注意を。


posted by Mami & Tetsu at 12:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | キッチンウェア>調理器具
この記事へのコメント
あのコープで買われたと言っていたものが割れちゃったんですか。
素敵だなあ、しかもコープみたいなところで見つけるってのがスゴいなあ、と
とても印象深かったので、なんか私も残念&ショックですーーo(;△;)o

私も手作りの物で数がある時は、全部並べてもらって選びますよ〜。
でも太陽光で・・・まではさすがに…(゚Ω゚;)o

しかし今回の土鍋もホント素敵。
伊賀焼とか詳しいことは私にはわかりませんが
予算オーバーでもこれなら納得でしょうねえと思いますもん。
すごく存在感を感じます。
Posted by いちゅ at 2009年02月13日 18:42
そうなんですー!あのコープのお鍋がぁ…。
Mamiが食事の用意中に割ってしまって。
あまりのショックに、仕事中のTetsuに電話をしたぐらい。
もう何年も前の話なので、今さらコープに行っても同じモノがある訳もなく。
鍋と共に二人の仲もバラバラかぁなんてプチパニックに(笑)

今回は良いものとすんなり巡り合えて安心しました。

ちなみに太陽光まで何個もかかえて移動する姿はかなり怪しいです。
まれに万引き犯と疑われるほどに…。
お店の人に了解を得た後でないと危険です(笑)
Posted by Mami & Tetsu at 2009年02月13日 19:45
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。