Jan17,2009

#186 読谷山焼(その9)

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読谷山焼の徳利

 八合ほどの容量の徳利。一見すると花器や鑑賞用の壷の類に思えますが、液体類を保管するための容器です。
 徳利は、かつては醤油や油などにも使われていましたが、ガラスやプラスチック製品が普及した現在では、泡盛のための容器としての利用がほとんどのようです。はかり売りの容器や居酒屋などのボトルキープにも使われています。
 もともと、壷や甕などの保存用陶器類は、南蛮焼を起源とする荒焼(あらやち)という、釉を施さない焼締めの陶器で作られていました。絵付けや線彫りなどの装飾性が一切ない実用品です。保存性能に優れ、泡盛を熟成に適しているため、現在でも荒焼の甕は古酒づくりに欠かせません。泡盛にこだわる人は、徳利も荒焼を選ぶので、このように施釉された徳利は、どちらかというと見た目を重視したモノなのでしょうね。
 こちらは山田真萬さんの工房のモノ。やちむんの里にあるギャラリーにて購入しました。
 青と黒の2色の釉薬で豪快に描かれた紋様。力強く、勢いのある筆づかい。マンガンか鉄釉かと思われる黒い釉薬は、マットな仕上がりで、茶色っぽさがあり、とても良い風合いです。首元には緑の釉が添えられ、やちむんらしい配色。
 高さがあって絵付けが映えるため、鑑賞用としても十分楽しめますが、せっかくなので泡盛を買って、徳利として使ってみようかと考えています。

Memo:
 砲弾のような独特の形状の徳利のことをタワカサー(またはタワカシ)と呼んでおり、荒焼の七合タワカサーは鬼の腕(うにぬてぃ)の別名を持っています。カタチとザラついた茶黒い荒焼の風合いが、鬼の腕に似ていることからついた俗称。かつて航海の際に、船員の飲料用水をいれて、水筒代わりに使われていました。支那近海や南方海上で海賊に襲われた時に、これを武器として使用しました。油をつめて火炎瓶代わりにしたとも言われており、鬼の腕の由来は、こういったところにもあるようです。
 甕で熟成した泡盛を分け入れるのに使用するほか、鬼の腕でさらに熟成をさせ、古酒を楽しむこともできます。また、長期保存だけでなく、ガラス瓶に入った泡盛を移しかえて、しばらく置くだけでマイルドに変化するといわれています。

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posted by Mami & Tetsu at 15:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | テーブルウェア>陶磁器
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