Aug31,2011

~39 TOSHIKO TAKAEZU RETROSPECTIVE

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タカエズ・トシコ展 -作陶50年 思索する色とかたち- 図録

 日本では沖縄県内の一部メディアでしか報じられませんでしたが、今年(2011年)の3月9日に、日本にゆかりのある米国の陶芸家が他界されました。
 沖縄から移住した両親を持つ、ハワイ生れの日系2世、タカエズ・トシコ[Toshiko Takaezu]さんです。
 陶芸家として米国の現代陶芸の礎を築くとともに、教壇に立ち後進の指導にもあたった、米国陶芸界の巨匠の一人。
 クローズド・フォルム[Closed Form]という、口の閉じたベースが代表作。轆轤を操り、大胆で優美なフォルムに、迫力のある釉薬使いが特徴です。
 その作風は、彼女の師であるフィンランド出身の陶芸家マヤ・グローテル[Maija Grotell]によるもののほか、自分のルーツでもある日本の陶芸技術や禅などの世界感、もちろん自らが活躍した米国陶芸の影響も見られます。
 特に後期には、大地を感じさせるような、大型で彫刻的な作品を多く手掛けています。屋外での展示なども行っており、その光景は圧巻。
 日本では、1995年に京都国立近代美術館で「タカエズ・トシコ展 -作陶50年 思索する色とかたち-」が開催され、沖縄県那覇市のりゆうぼうホール・富山県高岡市の高岡市立美術館・愛知県の愛知県陶磁資料館を巡回しました。こちらは同展の図録です。
 また、両親の郷里である沖縄県に2008〜2009年度にかけて50点もの作品の寄贈をしています。これは世界でも有数のコレクションで、2010年に沖縄県立博物館・美術館で開催された「沖縄ルーツシリーズ1 タカエズトシコ展 -両親に捧ぐ-」で、その全作品が紹介されました。
 日本での知名度も上っていくだろうというタイミングでの訃報。沖縄県が所有する素晴らしいコレクションを、巡回展として本土でも見られる日が来ることを願っています。
posted by Mami & Tetsu at 07:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑貨類>本

Aug22,2011

#231 Wood Tray

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籐巻きハンドルの木製トレイ

 木の色と籐のコントラストが印象的な木製トレイ。
 円形の板を薄く曲げ、持ち手のために穴を開けて、籐を巻いただけのシンプルなデザイン。
 赤っぽい木の色は、材ではなく塗料の色だと思いますが、木目が美しくでていて、上質な素材感があります。
 直径39cmと十分なサイズながら、意外に材が薄くて、とても軽いつくり。余計な出っ張りがないので、収納にも便利で、業務用かと思わせるような機能性の高さもあります。
 どこか懐かしくてほんのり温かみがあり、スカンジナビアンというよりは米国っぽい雰囲気でしょうか。でも、実はこれ、日本製だと聞いています。
 もう何年も前に、神戸のフリーマーケットで見つけたもの。
 若い方ばかり何人かのブース。レトロなモノやエアライングッズなど、どこかの業者さんらしき品揃え。在庫処分にきたのかなというお手頃価格で、興味津々のモノばかりを売っていました。
 たまたま自分が不用品売却のためにフリマに参加していたのがラッキーでした。
 どこのメーカーの誰のデザインとも分からないのですが、日本製ヴィンテージもあなどれないなと、あらためて思わせられるグッドデザインです。
posted by Mami & Tetsu at 15:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | テーブルウェア>その他

Aug06,2011

#230 茂生窯(その2)

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茂生窯の厨子香炉

 御殿(ウドゥン)型の厨子甕(ジーシーガミー)を小型にした香炉。
 厨子甕は、沖縄の納骨器です。(※本来の用途については、歴史的背景や沖縄独特の死生観、信仰、風習などが深く関わっており、誤ったことを書いてもいけませんので、こちらでは割愛させていただきます。)
 古くは石製が多く、18世紀以降は陶製のものが盛んに作られました。壷型もありますが、特徴的なのは琉球王族の邸宅である御殿建築を模したもの。荒焼(アラヤチ:焼き締めのこと)で簡素に作ることもあれば、施釉した豪華で巨大なものもあります。
 御殿型の厨子甕に造形的な美しさを見いだし、本土に多く持ち帰ったのは、民藝運動の中心人物であり、現代陶芸の第一人者でもある濱田庄司。益子参考館で、建物の軒先に並べられた厨子甕はとても印象的です。
 沖縄の陶器店や窯元で見るたびに気になってはいたものの、結構な大きさと存在感のため、我が家に置くのは現実的ではないなと考えていました。
 ところが昨年の12月に沖縄を訪れた際に、小さな御殿型のやちむんと出会いました。どうやら厨子甕を香炉サイズにしたもののようです。色やカタチも気に入り、これなら我が家に飾れると思い、購入しました。
 現在では厨子甕の作り手は限られますが、その中でも評価の高い茂生窯の上江洲茂生さんの手によるもの。
 登り窯による変化に富んだ青緑の釉薬。控えめ装飾ながら厨子甕らしい風格があります。
 ディスカバー・ジャパン[Discover Japan] vol.2に、上江洲さんは「壺屋焼の伝統的技法を継承しながら、華美すぎず、シンプルで格調高い厨子甕をつくる」との説明があり、なるほどと納得。
 小さなサイズの中に名陶工の技が凝縮された、素晴らしい焼き物です。

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#213 茂生窯(その1) 茂生窯の片口椀
posted by Mami & Tetsu at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 置物>オブジェ
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