Aug09,2006

#120 琉球ガラス(その7)

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琉球ガラスの皿

 縁の一部が角ばるように変形したお皿。ブラウンのガラスが変形部の形状を際立たせています。このモダンなデザインのガラス器は、琉球ガラス工房のひとつ、清天のモノ。
 一口に琉球ガラスといっても様々な種類があります。稲嶺ガラスに代表されるような、造形やガラスの質感を追及した芸術作品のようなモノもあれば、いかにも手工芸品ですといった装飾的なモノ、お土産屋さんに雑然と並べられた安物の色付きガラスまで。これは琉球ガラスに限ったことではないのですが、きちんとしたモノを作っている人達が、心無い安物業者とひとくくりにされるのは、悲しいことですね。
 清天工房さんは、スッキリとしたデザインのガラス器が多く、ちゃんと日常の中で活躍できる、誠実な器づくりをされている工房です。いかにもな工芸品的な琉球ガラスという感じではありませんが、リサイクルガラスの質感と手作業の揺らぎといった琉球ガラスのコアとなる要素が、シンプルなデザインの中に、温かみのある風合いを与えています。
 我が家のようなモダン好きの方にも十分趣味に合うデザインだと思います。この皿も純粋にカッコいいですね。ガラスの質感に雰囲気があり、ヴィンテージの食器類と合わせても違和感がありません。何種類かある色の中でも、レトロなテイストのブラウンに、ついつい手がでてしまいます。
 日常の器を手作りすることは、作り手側からすれば、割に合わない仕事なのかもしれません。手間の割には高値で売れず、地味で単調な作業の繰り返しになるのでしょうね。信念や愛情がないと続けられない仕事だと想像します。だから、買う側はちゃんとモノを選ぶことが大切だと思います。安いからといって、とりあえず買ってしまうようなことをせず、自分のお気に入りを探して、それを愛用することが、作り手を支えることにつながるのではないでしょうか。自分自身の暮らしも、もっと素敵になりますしね。


posted by Mami & Tetsu at 17:41 | Comment(2) | TrackBack(0) | テーブルウェア>グラス

Aug05,2006

~9 Petit Gram 7

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プチグラ No.7[Petit Glam-7]

 今更なのですが、最近リンドベリが気になります。
 リンドベリは今年が生誕90周年にあたり、グスタフスベリ陶磁器美術館でリンドベリ展が開催され、スウェーデン国立美術館でも回顧展が催されています。再び注目が集まりそうですね。
 ただ、個人的に気になりはじめた理由は別にあります。そもそも、リンドベリ自体をそれほど好んではいなかったのですよね。このブログで紹介したモノも、今のところSpisa Ribbのみです。全体的に、明るくて華やかなデザインだという印象があり、実際にBersaの実物を見ると落ち着いた雰囲気があるのは分かるのですが、イマイチ好みに合わない気がしていました。考え方が変わったのは、先日ポーアイで開催された国際骨董フェアから。ハミング・ジョー[humming joe]さんで、かなり好みのモノに巡り合いました。もっと詳しくリンドベリを知りたいという気持ちになり、また、その時に買ったモノが、この本で紹介されていたので、つい最近この本も買いました。
 Petit Glamという、プチグラパブリッシングが不定期で発刊しているアート、デザイン等をテーマにした本の第7弾。アレキサンダー・ジラルド、スティグ・リンドベリ、武井武雄という3人の巨匠が特集として取り上げられています。2003年2月に発刊された本で、当時はまだ同社のスティッグ・リンドベリ作品集もなかった頃だったため、リンドベリを知るための貴重な日本語資料でした。この本を買ったリンドベリ・ファン方も多いのではないでしょうか。
 ところが今頃になって、この本を探すと、古本しか見当たらないのですよね。お手頃価格のモノもありましたが、復刻したジラルドのファブリック張り装丁の箱なので、ちょっと古本は汚れがリスキーだなと思い、止めました。新品の在庫に心当たりがあったのでTRUSSさんへ。少し前に、店頭に置いてあったのを覚えていたので、行ってみると、ありました!「自分がいいと思って仕入れたモノが、なかなか売れないんですよねー。」なんて言っていましたが、我が家的には、とってもお世話になっているお店。
 実はまだ中はパラパラとしか見ていないのですが、かなり良さそうですね。モダンデザインの中でもクラフト感に着目し、この3人を選んだという点。ジラルド→リンドベリ→武井武雄という構成なのですが、違和感なく統一された流れがありますね。さすがプチグラといった感じです。
 B5版の小ぶりな本ながら、豊富な写真と端的にまとめられたワークライフと時代背景。3人と関係のあった人物のインタビューには、それぞれの人となりがリアルに伝わってきます。入門的な基礎的な知識から、グッと掘り下げた部分まで、ふんだんに詰め込められた良書です。
 もっと早くに買っておけばよかったなぁと思いました。

■追記(2006/10/18)
 パッケージを新たにして再販をすることが決まりました。基本的には装丁テキスタイルの色目を変えただけで、内容は同じようです。
 良書が復活するのは喜ばしいことですね。プチグラさん、やってくれます。
posted by Mami & Tetsu at 16:13 | Comment(2) | TrackBack(0) | 雑貨類>本

Aug02,2006

Linseed Oil

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オイルフィニッシュの家具について

 我が家はオイルフィニッシュの家具を好んで使っています。純粋にオイルのみの仕上げだけでなく、ステインで着色したモノも含みますけどね。
 木の風合いと手触りが残っているのが好きなのと、使い込んで色が落ち着いていくのがイイんですよね。
 オイルフィニッシュの難点は、塗装に表面の保護効果がないので、キズや汚れが付きやすく、とても水に弱いところです。水分を放置しておくと、白くシミになってしまいます。
 これを気にして、ウレタン仕上げにしてしまう人も多いようです。我が家もはじめてオイルフィニッシュのテーブルを使った時は、やたらとビクビク(特にTetsuが)していたのを覚えています。
 何年か使用した経験から言うと、個人的には何の問題もなく使っています。
 冷たいグラスを直に置いてしまいますし、水ぶきもしちゃいます。もし水でシミが出来てしまっても、オイルを塗っていけば目立たなくなるので、あまり気にしなくなりました。(水ぶきは黒ずみの原因になることがあるのでおすすめはしませんが…)
 高台の仕上げが荒い陶器等で、表面が薄く傷つくこともありますが、これもオイルでカバーできます。最悪はサンドペーパーで削ってオイルを塗ればいいので、かなりガサツに扱っている気がします…。
 ただ、ナチュラルな木の色を残そうとしている人には、ありえない話なのかもしれませんね。我が家は色を落ち着かせていくようにしており、オイルを塗る前のクリーニングも、ほとんどしていません。表面の若干の黒ずみは、そのままにして、オイルと一緒に木に入れていきます。少々の汚れや水で白くなった部分も分からなくなりますよ。一度では完全に消えなくても、何回か繰り返すうちになくなります。そうして、少しずつ味が出てきます。
 定期的にオイルを塗らないといけないので、これを手間と感じる人も多いのでしょうね。実際のところ、少しめんどくさいです(笑)でも、塗り終えると見違えるように艶やかで綺麗になり、愛着が湧いていきますよ。
 使用するオイルは何種類も市販されています。チークオイルやダニッシュオイル等と銘打って売られているモノも、メーカーによって内容はバラバラのようです。単体のオイルの使い難さや発色を改良するために、ブレンドしたり、添加物を加えたモノもあれば、オイルといいながら実はウレタン系塗料を溶剤で薄めたようなモノまで様々。使い比べたわけではないので、どれがいいのかは分かりませんが、ラスベガスのアンティークモールでよく見かけたのはHOWARD社のモノ。たしか、ViVO,VAさんもHOWARDのモノを使っていた気がします。
 我が家では亜麻仁油(リンシードオイル)を使用しています。定番的なオイルで、これをベースに作られたチークオイルもよくありますね。オイルフィニッシュのダイニングテーブルのメンテ用にもらったモノで、以来それを使い続けているだけなので、強いこだわりがある訳じゃないんですけどね。
 亜麻仁油は乾燥が遅いのが一番の欠点。丸一日放置しても完全には乾ききりません。この欠点を補うために乾燥促進剤等を加えたモノもありますが、毒性のある添加物も多く、木製のサラダボールのような食器には適しないとのこと。テーブルに使う分には問題ないみたいですけどね。
 また、亜麻仁油は経年変化で黄色味を帯びる傾向があり、これを嫌う方もいるようです。個人的には、この黄色味は、木の色を飴色っぽくしてくれるので、むしろ好みです。ただし、日光が当たらない方がよく黄変し、時に黒ずむ場合もあるので、北向きの暗い部屋に置く家具に使用するのは避けた方が無難です。
 材の種類によって、あまりオイルが入らないモノもあります。そういう材をオイルだけで色付けしていくは難しいので、ステイン等の着色系のモノに頼った方がいいこともあります。詳しくは家具を購入した店に問い合わせて下さい。きっと親切に教えてくれると思いますよ。手入れの一つも教えてくれないのに、オイルフィニッシュの家具を売っているようなお店は普通はないと思いますので。
 カール・ハンセンのサイトにメンテのページがあり、オイルフィニッシュ以外の仕上げについても、端的にまとめられています。とても分かりやすいので、参考にしてください。
posted by Mami & Tetsu at 17:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブログ>つれづれ
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