Feb01,2006

What is antiques?

アンティークとは?

 「アンティークは100年以上前に作られたモノのことをいう」という話を皆さんは聞いたことがありませんか?
 私は、「100年以上経ってないモノはアンティークとは呼ばない」とか「それほど価値がない」といった話を、骨董屋さんがまことしやかに教えてくれた経験が何度かあり、そういうものなのかと思っていた時期もありました。
 でも、実際に日本でアンティークと呼ばれるモノには、もっと新しいモノが含まれていることが多いですよね。これらを混ぜるのを嫌う方もおり、アンティークは100年前までとし、それ以降のモノをヴィンテージ、コレクティブル(またはコレクタブル)、ジャンク等と呼び分けています。
 ラリックの香水瓶を買ったお店の長部玉美さんが本の中で「(この本で)とり上げた品物は時代が古いもの、比較的若いもの、値段が高いもの,安いもの、いろいろまじっています。値段や時代にこだわらすに、心に訴えてくるもの、おもしろいものを選んでみました。ジャンク(ガラクタ)とアンティークとを枠にこだわって分けてしまうと、“もの”自体の魅力を見失ってしまうと思えたからです。」と書かれており、私はそのとおりだなと思いました。以来、自分自身の中では特にこだわりを持たないようになったのですが、このブログではどんな考えの方が見ているのか分からないので、表現は適当に使い分けています。
 欧米では厳格に定義されているとの話もありがちです。実際にeBayのカテゴリにはAntiquesとCollectiblesがあり、Antiquesカテゴリ内でファイヤーキングやアラビアなどを探しても見付かりません。やっぱり欧米では違うのかと思いますよね。
 ところがeBay以外のネットショップ等を見ていると分かるのですが、欧米のディーラーの方でも100年にはあまりこだわっていない方が意外といます。60〜70年程度前のモノをアンティークと表現していることもしばしば。日本ほどでないにしても、欧米でもアンティークの定義というのは緩まっているのかと思い始めました。
 こうなってくると逆に100年説に疑問を感じてきます。いったい誰が決めたのかと。大体100なんてキリのよい数字で分断する意味も良く分かりませんよね。
 調べてみると、実はWTO(世界貿易機構)に規定があるとのこと。正確にはWTOが発足する際にGATTの関税評価協定を組み込んでおり、この中で規定されているらしいです。これはWTO加盟国が準拠すべき関税評価に関する国際基準とされ、WTO加盟国はそれぞれの内国法をこの関税評価協定に準拠する形で制定・実施することとされています。日本では関税定率法で関税評価制度を規定しています。
 大雑把にはアンティーク類には関税をかけませんよという規定なのですが、何でもかんでもアンティークといって無税にしてはいけないので、100年以上前のモノだけですよと決めている訳です。実際に関税定率法でも「こつとう(製作後一〇〇年を超えたものに限る。) 無税」となっています。
 じゃあ100年は関税法上の取扱いだけで、ディーラーやコレクターが言うところのアンティークとは直接関係がないかといえば、そうでもないようです。
 GATTで定めた100年という数字は、アメリカの通商関税法を継承したと言われています。1930年台の話で、当時アメリカでは現在と同じようにアンティークには関税をかけていなかったのですが、アンティークの定義が曖昧でした。通関手続きの明確化を図るため、ディーラーから意見収集をし、アンティークとは1830年代の大量生産より前に製造されたモノだと結論づけ、そこから100年という数字を導き出したとか。ただ、もっと前の1890年ごろに規定の基となるものが定められていたという話もあり、正確なところは不明です。
 いずれにしても何の根拠もなしに100年とするはずもないので、決めた当時には何らかの商習慣があったと考える方が自然ですね。一度決めた数字が権威あるところで公に定義され、いつまで経ってもアンティークは100年以上前のモノとされたままで、現在の市場感覚とは少しズレが生じてきているのかなと思います。
 あくまで100年にこだわる方は、かつての商習慣を重んじている方か…、もしくは税関で100年前のモノだという証明をするために苦労した経験のあるディーラーやコレクターの方かもしれませんね。個人的には後者の方が多い気がしていますが…。


posted by Mami & Tetsu at 19:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブログ>つれづれ
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